
「俺は、男だ!クソ野郎」
第6章 何で俺…女装してんの。
「姫。その顔反則だよ!」
翼先輩は、鼻血を出しながら
興奮気味にそう言って
俺をギュウと抱き締める。
「ちょ、やめろ!」
ちょっと待って、ここ外。
公衆の面前だし!
てか、顔に反則って…
ある意味、悪口だぞ。
心の中で舌打ちをした。
その瞬間、
翼先輩が抱きつくのをやめて
次に俺の格好を
つま先から頭のてっぺんまで
熱い視線を送ってきた。
…次はなに。
じろじろ見んな。
「て、天使みたいなコーデなんかしちゃって!俺をきゅんきゅんさせたいの!?」
「はい?」
俺は、今きっと
間抜けな顔をしているだろう。
「あぁ、マイエンジェル。 ゴクン…姫の生足に細い肩。すっごいエロい…。舐め回したい。すべすべだしつるつる。なにこれ、死ねる!」
「うん、死んで。あと、さりげなくお尻触らないで。」
俺はそう言って
翼先輩の手を払う。
ちなみに
『死んで』の方をめっちゃ笑顔で言ってやった。
俺、怒らすと恐ろしいぜ。←
