
「俺は、男だ!クソ野郎」
第6章 何で俺…女装してんの。
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入り口に着くと
もうすでに翼先輩が待っていた。
でも
翼先輩は、さっきのラフな格好と違って
黒いスーツで身を包み、
髪をキレイにセットされていた。
「遅くなってすまん」
俺は、謝りながら
翼先輩の隣に駆け寄った。
しっかし。
近くで見ると
雰囲気が大人っぽくなったよな…。
凄い変わりように
俺は翼先輩を見ていた。
「……~っ!」
翼先輩は黙って
俺を凝視している。
やばい。
これは、傍(はた)から見たら
見つめ合ってると誤解されちまう。
フイと目を逸らすと、
翼先輩の両手が伸びてきて
頬に優しく手を当てられ、
もう一度、目を合わされた。
「な、なに…?俺、何か変?」
首をコテンと
傾ける。
翼先輩の瞳が揺れてる
気がするのは見間違いか?
