
「俺は、男だ!クソ野郎」
第9章 うん。はい断る
「だから姫♪そういうわけで、はいどーぞ!」
「は…?」
翼先輩は、超笑顔で
ウィッグ付きのウサ耳を渡してきた。
お、俺にどう反応しろと…?
てか、何となくで
ウサギ調べてねぇだろ。
絶対、これ買うためだろ。
ったく。
「ほら、これ被って」
「…っなに」
俺に暇もあたえないよう素早く、無理矢理
ウィッグ付きの白いウサ耳を被せた。
当の本人は、満足そうに笑ってやがる。
「あー。あの頃の姫の女装を思い出すよ」
ああ、ホストクラブのやつか。
「人の黒歴史を…っ!よくまぁ」
俺は、拳を作る。
「あ、そういやこれ忘れてた。最後に、えいっと!」
ポケットから何か出したと思ったら
躊躇なく俺のケツをパンッと触りやがった。
すると、お尻に違和感を感じ、
後ろを振り向くと何やら
ウサギの丸い白い尻尾が…。
もうやだ、この人変態。
男にこうことさせるこいつの趣味やばい。
学園祭は楽しければ
何しても許される日じゃないんだよ。
あ、今俺
名言言った。
「それに俺も黒バージョンのウサ耳買ったんだー!ほら見て♪」
あら。
ちゃっかり、着用なさっている。
「はははっ…」
俺は、力なく笑った。
この人相手にしているだけで
多分、俺の寿命確実に縮んでる気がする。
「俺たちは今日からウサギだよ!ほら、交尾しないと!」
俺の肩を掴み『レッツ!保健室』と
訳のわからない言葉を言う始末。
…頭、平常じゃないよな、異常だ。
と、そう思った時だった。
遠くの方から誰かの走ってくる音が聞こえてきた。
