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ひまわりのキミ。

第16章 ひまわりのキミ。13

昨日クラスの女子が言ってた気がする。

そのとき、胸が高鳴った。


「あ、えっ…」


もしかして…。


「分かった?テツも頑張ってんな~。これまでのこと、きっと話してくれるから」

「私…」


ほんとに期待しちゃっても良いのかな…?

ドキドキしてきたよ…!


「頑張ってこいよ。夏子の気持ち、ドンとぶつけてこい」

「ありがとう…!」


太陽くんは本当に良い人だよ。

…そんなだから、水希ちゃんも好きになるんだ。

水希ちゃん、私、頑張ってくる。

だから、水希ちゃんも頑張って…!

私は屋上を出た。



「失恋とかダッセェ…」

「あんた…ここにいたの?」

「水希…」

「…あたしじゃダメ?」

「え?」


夕日がどんどん沈んでいく。

空には光輝く一番星。


「あたし…太陽が好き、だから…」


水希の精一杯の声が屋上で響く。

太陽は黙って水希の話を聞いていた。


「あんたが夏子を好きなのは知ってる…。でも、あたしは…」

「ごめんな」

「えっ…」

「今は夏子が好きだから…」

「…そ、か」

「でも」


太陽はフェンスにもたれかかった。

そして、しっかりと水希の目を見る。


「これから俺の気持ちも変わるかもな」


そう言って太陽は、水希の頭を撫でた。


「行くぞ」

「…うんっ」



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