テキストサイズ

ひまわりのキミ。

第16章 ひまわりのキミ。13

私を好きになってくれたのは、本当に嬉しい。

だけど私は…。


「…夏子ってさ、テツのこと好きだろ?」

「えっ!」

「図星」


バレてたんだ…。

恥かしい…。


「…昨日、テツにメールで言われたことがあんの。今は言えないけど、黙ってられなかったから告った」


そう言って切なそうに目を伏せた。


「返事なんて分かってる。…でも、言えて良かった」


胸が痛いよ…。

こんなにも想ってくれてる人がいるのに…。

どうして好きになれなかったんだろう…?

そう考えると、自然と涙が落ちた。


「えっ、ちょ、泣かないでよ」

「ごっ、ごめ…」


…恋は、誰かが幸せになっても、不幸になる人が存在する。


自分が好きな人と両思いになれたとしても、その好きな人のことが好きだった人にとったら、すごく残酷なことで、ツラいことなんだ…。

恋って楽しいことだと思っていたけど、苦しいことでもあるんだね…。


「俺…夏子のこと好きになれて良かった」

「あり、がと…う」

「早く泣きやめよ」

「うん…」

「……ま!夏子のこと簡単には諦めないから。隙があれば俺が振り向かせてやる」


いつも優しい太陽くんを好きになれたら、どんなに良いだろう。

そう思った時もあった。

でも、やっぱり私が好きなのは。

てっちゃんだけなんだ……。


「もうすぐ後夜祭だな。時計台で待ち合わせなんだろ?」

「え…あ、うん…」


てっちゃんかな?

言ったの。


「そっか。頑張れよ。知ってるか?あそこで告白すると結ばれるってジンクス」


あれ…?

どっかで聞いたことある…。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ