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ひまわりのキミ。

第3章 ひまわりのキミ。3

学校へ着くなり、さきちゃんに捕まってしまった。


「どうだったの、昨日!」

「どうって言われても~…」


思い出すだけで結構辛い。

だからあんまり言いたくないけど…。

協力してくれてるんだし、やっぱり報告しないとね。


「あのね…」


私は昨日あったことを全て話した。

てっちゃんに好きな人がいること。

それを聞いて帰ったこと。

全部話した。


「あんたバカ?よく風邪ひかなかったわね」

「…はは」

「うーん…朝日奈は何してんだか。アイツだって…」

「…?アイツだって?」
「あっ、ううん。何でもなーい。それよりも、杉野、絶対夏子に気があるでしょ」


さきちゃんはニヤニヤしながら言った。


「えっ…!?ないない!絶対有り得ないよっ…」

太陽くんは顔も良いし、スポーツも出来るし、何より明るいから女の子からすごくモテる。


「どっかーん☆火山が噴火したとさ。めでたしめでたし」

「杉野、訳わかんねーぞ!」


うん。いつも皆を笑わせてくれる。

そんな男の子。

それなのに、こんな私を好きになるなんて、絶対有り得ない。


「まっ。夏子は朝日奈一筋だもんねぇ」

「さっ、さきちゃん…」

「それにしても、朝日奈遅くない?」

「確かに…」


教室を見渡しても、てっちゃんの姿は全然見当らない。


「どっかで死んでたりして」

「えっ…さきちゃんっ」

――ガラッ

ドアが勢いよく開いて、先生が入ってきた。

本当に遅い…。

いつもならもっと早く来るのに…。

皆がそれぞれの席に戻って行く。

それなのにてっちゃんの席は開いていて、ぽっかりとした空間が寂しい。

てっちゃんは…。

いつも、私の太陽だったから…。

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