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ひまわりのキミ。

第4章 ひまわりのキミ。4

「そろそろ席替えしようよ」

「あー、いいね」


学級委員の間でそういう話になり、席替えをすることになった。

1人ずつ用意されたクジを引いていく。

私は1枚引いて中を見た。


「24番か…」


黒板に書かれた席順を見ると、どうやら一番後ろの席で窓側のようだ。

隣は30番。

誰と隣の席になるのかドキドキしながら、自分の席を移動させた。

すると…。


「隣、夏子なんだ」


聞き覚えのある声が降ってきて顔を上げた。

そこに居たのは、てっちゃんだった…。


「よろしくな」


いつものキラキラの笑顔でてっちゃんは言った。
あの日からずっと気まずい思いをしたし、てっちゃんも怒ってるんじゃないかって思ってた。

けど、今、こんな笑顔で笑ってくれた。

どうしてだろう…。

涙が出そうだ…。

久し振りにてっちゃんの笑顔を見たからなのか、隣の席になれたからなのか…。

理由は分からない。


「うん…っ」


視界が涙で滲み、てっちゃんにバレる前に俯いて返事をした。


「あのさ、夏子」

「う、うん、何…?」


突然、てっちゃんに名前を呼ばれた。


「今日、話したいことあるんだけど…。帰り…、待っててくんない?」

「えっ…」


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