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ひまわりのキミ。

第9章 愛しいきみ。2

俺と夏子は、不思議なことに中学校3年間、同じクラスだった。


…その時に、俺達が両思いになれていたなら、あんな思いはしなかったのに。



「て、てっちゃん…」


いつの間にか俺達は、お互いを『夏子』、『てっちゃん』と呼ぶようになった。

てっちゃんとか、小学生以来だから恥かしかった。

けど、嫌ではなかった。

そんな呼び方のせいで、周りの奴らから色々言われたけど、全部無視したし否定した。

そうでもしないと、夏子に迷惑かかるし。


「ん?」


昼休みになって夏子が話しかけてきた。

ようやく最近、誰かに話しかけるようになったと思う。


「高校…もう決まってる?」

「高校か~…。…近所の緑清行こうかな」


緑清は、この地域でかなり頭の良い学校。

本当はそんな所行く気なんてなかったけど…。

夏子がどんな反応をするのか見てみたかった。

何故か分からないけど、こいつは俺と同じ所に行きたいのかなって思ったから。


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