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ひまわりのキミ。

第10章 ひまわりのキミ。8

「おー、テツー」


その言葉にドキッとした。

振り向くと、てっちゃんが教室に入ってきた。

久し振りに見るてっちゃんは少しだけ焼けていた。


「何盛り上がってんの?」


久し振りに聞く声。

胸が高鳴る。

ああ…ダメだ。

全然忘れられてないじゃんか…。


「文化祭の話」

「もう文化祭かよ。早いな~…」


バチッと目が合った。

まだ気まずいままだから、私は目を逸してしまった。


「おーい、始業式始まるぞ。体育館移動しろー」

先生が来て、皆が一斉に体育館へ移動した。




「えー、お前らも気付いてると思うが、再来週の土曜日と日曜日に文化祭がある。明日から準備があるため、これから出し物決めて、役割とか色々決めるぞ。学級委員前出て」


本当早いな~…。

何か、楽しい出し物がいいな。


「夏子…」


どくん、と胸が鳴った。
隣から、てっちゃんに話しかけられたのだ。

まだ気まずいのに…。


「…ん?」

「ちょっとだけ、焼けたな」

「…さきちゃんと遊んでたから」

「ふーん…。そっちもいいじゃん」


胸が苦しい。

なんでそんな期待するようなこと言うの?

そんなこと言われたら、また好きな気持ちが溢れ返ってきてしまうのに。

「…ありがと」

「えーっと、まずは出し物を決めます!何か案ある人~」


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