テキストサイズ

ひまわりのキミ。

第13章 愛しいきみ。3

「隣、夏子なんだ」


そう言うと、夏子は顔を上げた。

久し振りにしっかりと見た顔。

少し頬が赤くなっていて、それが可愛くて…愛しくて…。

俺は、杉野の存在を忘れていた。


「今日、話したいことあるんだけど…。帰り…、待っててくんない?」

「えっ…」


自分で言って驚いたし、バカだなとも思った。

だって、前のことがあるし、俺の嫌いかもしれなくて、断られる可能性があるのに…。

だけど、夏子は俺の誘いに承諾してくれた。

…嬉しい。

…だけど、俺は謝らないといけない。

だから、余計なことを考えないように、その時以来ずっと話しかけなかった。


放課後はすぐにやってきた。

今日はバスケ部の活動は休みだから、寄り道でもしよう。

俺は夏子に声をかけて、一緒に教室を出た。


「はぁ…」


そのとき、夏子がため息をついた。

夏子はなんとなくって言ってたけど、内心俺が関係してるんじゃないかと思った。

…やっぱり、もう嫌われたかな。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ