テキストサイズ

ひまわりのキミ。

第13章 愛しいきみ。3

学校に着くなり先生に怒られた。

…まあ、当たり前か。

いつもなら夏子にするあいさつは、この日しなかった。

それは、杉野に対する罪悪感と、夏子との気まずさからだ。

本当は今すぐにでも話したい。

でも、俺じゃダメな気がして…。

近付いたら夏子が壊れてしまいそうな気がして…。

俺は、自分の気持ちを押し殺すのに精一杯だった。



ずっと…1週間くらい話さなかったと思う。

―――そんなある日、神様が俺達の仲が戻るようにしてくれたんだ。


学級委員の間で、席替えをしようという話になり、席替えをした。

クジで場所を決めるらしく、俺は30番だった。

一番後ろの席だったから嬉しかった。

隣は誰なんだろう、とワクワクしながら席を移動すると……。

夏子だった。

内心かなり焦った。

杉野が何か思うんじゃないかって。

でも、そんなのはたった一瞬だけの気持ち。

夏子と隣の席になれたことが嬉しくて、そんな気持ちは吹っ飛んだ。

隣だから、近くにいられる。

沢山話せる。

今は夏子に嫌われているかもしれない。

だけど、嬉しくて、自然と話かけていた。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ