テキストサイズ

ひまわりのキミ。

第14章 ひまわりのキミ。11

「オレンジジュースよろしくー」

「…あっ、はーいっ」


考え事をしていて、今の状況を忘れてた。

ダメだ、皆に迷惑かけちゃう。

しっかりしなきゃ、自分…。


「お待たせしました…」

「やぁーだっ、もうっ」


私がジュースを運んだテーブルでは、てっちゃんとお客さんが楽しそうに喋っていた。

どうやら他校のお客さんらしい。

さきちゃんがなぜか教えてくれた。


「それでね~」

お客さんは身振り手振りで話す。

私がジュースをテーブルに置こうとした時。


「きゃ…」


――バリーーンッッ


う…そ…。


「夏子…!」

「ちょっと!?」

「すっ、すいません…!」


どっ、どうしよう…!

コップ落としちゃったよ…!


「いっ、今…拭くの持ってきますっ」

「もう良いわよ!最悪…」


そう言ってお客さんが帰って行ってしまった。

静まり返る教室。

青ざめていく皆の顔。

やっちゃった……。


「あ、そ…の」

「夏子」


私が佇んでいると、てっちゃんに腕を掴まれて、廊下に連れて来られた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ