涙も出ないくらいに。
第2章 待ち合わせ
「学校にはなれた?」
湊がそう聞いてきたので、
私はこくんと頷いた。
「そっかー、なら良かったよ!!」
その言葉を聞いて私がキョトンとしていると、
「だってお前、遠い学校行ったらしいじゃん?
そう簡単にすぐ慣れるわけでもないだろうし、
ちょっと心配だったからさー」
「ありがとう、心配してくれて。
遠いのは大変だけど
その分クラスは楽しいし、
ここに通えてほんとうに良かったって思ってるよ!」
そう言って
ありがとうの意味も込めて笑顔を浮かべると、
湊も笑顔で返してくれた。
自分の知らないところで、
誰かが自分のことを気にかけてくれていたと思うと、
嬉しさがこみ上げてきた。