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秘密の恋。

第9章 それぞれの想い

今ここで、突然抱きしめて無理やりにキスをしたら…この娘はいったいどんな反応を示すんだろうか…。
怒るか?それとも泣きだすか?
試してみたい衝動と、そんなことをしたら駄目だと諭す理性が、木村の中でケンカを始めた。
(俺、このままここにいたら…ちょっとヤバいかな。外の空気でも吸って少し頭を冷やすか…)

「俺、ちょっと出掛けてくるんで。これ、ファックス流しといて下さい」
書き終えた発注書を友香に手渡しながら立ち上がり、そのまま外へ向かう。
その瞬間、友香の表情が少しだけ曇った。寂しい…切ない…何とも言えない表情。
(彼氏いるくせに、俺に対してそんな切ない表情するなよ…)

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