テキストサイズ

秘密の恋。

第11章 木村家。

“さくらの会”というのは母親の女学生時代の仲良しグループのことである。
何十年も前の仲間と未だに年1、2回は集まって食事会をしたり、劇を見にいったりしている。
「みんな元気だよなぁ…」
母親の女学生時代の仲間なので全員が70を過ぎたオバサン集団である。しかし、当時の仲間が集まると一瞬で時が戻るようである。

…木村は、離婚後、子どもの親権を元妻にとられたことで、自分の母親から“孫に会いたい時に会える権利”を奪ってしまったという負い目、申し訳なさがあった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ