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秘密の恋。

第11章 木村家。

母親から指定された場所まで車を走らせると、オバサン5人の集団が見えてきた。
さくらの会ご一行様である。ハザードをつけて車を停車させると、仲間と別れの挨拶を済ませた母親が乗り込んできた。
「いやぁ、助かるよ。うち方面へのバスはこの時間になるともう残ってないからねぇ」
ニコニコしながら乗り込んできた上機嫌な母親と、今の自分のちょっと惨めな状況を比較して、何か憎まれ口の一つでも叩いてやりたくなった。

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