『秘密の恋。』第15章「居酒屋『祭り』」　82ページ

小中大テキストサイズ

秘密の恋。

第15章居酒屋『祭り』

「俺が払っときますんで、先に店へ行ってて下さい」
同じタクシーで一緒に来たところを営業所の他の人間にはあまり見られたくなかった。友香もすぐに了解して、先に店へ向かった。
店前。まだ集合時間の前ということもあり、そんなには人が集まっていなかった。
「お疲れ様でーす」
友香は営業員の一人に声をかけた。しばらく雑談をしていると、木村もやってきた。
その後もどんどん人が集まり、８割ほどのメンバーが集まったところで副所長が音頭をとった。
「それじゃあ皆さん、まだ集まってない人もいますけど、集合時間は過ぎてますから、もう店に入りましょう！」
それを合図に集まっていた人間がぞろぞろと店内へ入っていく。
席へ着くと、とりあえず全員分の生ビールが注文された。
一応、会社の経費での飲み会の為、所長が簡単に挨拶をする。続いて副所長が乾杯の音頭をとる。
「営業所のこれからの発展と、皆さんのご活躍を願って…」
「「「かんぱ～い！」」」
いくつもの声が重なる。
宴会が始まった。