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顧みすれば

第8章 鷹取支配人

しばらくして目を覚ますと

男たちの話し声が聞こえた。


「アミを私に譲ってくれませんか?」

少しの沈黙のあと

「アミを抱いたのかね」

鷹取支配人の静かな声が聞こえた。

「アミは男たちのオモチャになるような女じゃない。
 私が大切にしますよ」

「私もねずいぶん前に1度だけアミを抱いたんだよ。

 その時に何を捨ててもこの女が欲しいと思った。
 彼女の身も心も欲しいと思ったよ。
 夢中で縛り付けようとした。

 でも、彼女に愛を注げば注ぐほど
 彼女は離れていくんだ。
 愛を拒絶するようにね。

 私も若くはなかったから追い続けるのはやめたよ。でも、手放す勇気もなくてね。

 彼女を失いたくなくてそれからアミを抱けなくなった。抱いてしまったら自分を止められない気がしてね。
  
 こんなことでしか彼女を側におくことができないんだ。」

「鷹取さん‥‥」

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