テキストサイズ

顧みすれば

第9章 日常

社食を出て

はぁーっと大きくため息をつく。
女の子嫌いじゃないけど、お目当ての男が来たときのあのテンションにはついていけない。

「盛り上がってたな」

エレベーターを待つ隣に課長が並んだ

「聞こえてました?」

「まあな、あれだけ黄色い声が飛び交えば嫌でも耳につくさ」

苦笑いするしかない

「しっかし、松田も石田くんも最強のライバルがいること分かってないな」

「最強のライバル?」

にやりと私を見る

「山下常務だよ」

「なんで山下常務が出てくるんですか?」

「とぼけやがって。前回の佐々木と山下常務のやり取り、絶対初対面じゃないよな」

「はい?まったくの初対面です」

顔色ひとつ変えずに答える

ストーリーメニュー

TOPTOPへ