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顧みすれば

第10章 急接近

しばらく夜景に見とれていた。


繋がれていた手が離れ

肩を抱かれる


驚いて常務の顔を見上げると

常務の顔が近づいてきて

唇が重なった。


ビクンとして
一瞬からだが強張った


重ねられた唇はゆっくりと離れ
優しく抱きしめられた。


私はこの状況がうまく飲み込めなかった

呆然としている私の唇にまた常務の唇が重ねられた。
今度は唇をなぞるように常務の舌がゆっくりと這う。


・・・

私は耐えきれず常務の胸を押した

「ごめんなさい。これ以上は
 許してください」

私は常務に背を向けた

「ごめん。
 急ぎすぎたね」

常務は後ろから包み込むように抱きしめてきた。

そのまま、抱きしめられたまま輝きを放つ夜景を見ていた。







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