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顧みすれば

第11章 盛夏

「ママァ~♪ 同伴入店でぇーす♪
 ボーナス付けといてよ」

店の奥からママが出てきた

「あらあら、山下常務に亜美ちゃん♪
 ピュアボーイも♪

 いらっしゃいませぇ♪」

奥の席に案内される

「すぐ来るから待っててねぇ♪」

とルイちゃんがメイク室へ消えた。


「珍しい顔ぶれね♪どういうお仲間?」

ママがお酒を作りながら聞いてくる。

「今日部署の飲み会があって
 
 帰りぎわにたまたま山下常務とお会いしたの」

私が説明する。

「じゃあ、ピュアボーイとこちらの女性は同じ会社なの?」

「そう。同じ部署。

 ところで、ピュアボーイって何?」

「あ、この子ォ♪
 かっわいいのよ。
 入社してからずーっと好きな子がいて
 見ているだけで告白できないんだってぇ

 今時いないピュアボーイでしょぉ♪」

美保先輩がブッと水割りを吹き出した。

「松田くん、こんなとこでも言われてんの?」

松田くんは真っ赤になって俯いている。
もう、可哀想になってくる。

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