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顧みすれば

第12章 砂漠の檻

山下常務とレセプション会場へ入った。

会場は人でごった返している。

私がはぐれないように常務が手を取った。


「三住さんの所まで連れていくよ。

 もう到着しているはずだ

 俺はロイドに挨拶にいくが君は決してロイドに近付くな。
 いいヤツだが女には少し厳しい男だからな」

「わかりました。ありがとうございます」


人混みを掻き分けて奥へと進む。

課長たちの顔が見えてきた。

「常務、お手数をお掛けしました」

課長が常務に挨拶をしている

「いえ、ここはイスラム圏ですから
 女性に何かあっては大変ですからね

 私がロイドの友人なのは知られているので
 だれも手出しはしてこないはずですよ。


 木下課長、これからロイド王子に挨拶にいきますがご一緒にどうです?」

「本当ですか?是非お願いします」

常務は私から手を離し、石田さんたちの前に押し出した

「いいか、くれぐれも一人になるなよ」

耳元で念を押すことを忘れなかった

私は強く頷いた。


常務と課長は二人で人混みの中へ消えていった。


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