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顧みすれば

第12章 砂漠の檻

「佐々木さん、着物姿素敵ですね」

石田さんが食い入るような目で見つめてくる

「肌を隠すには和服がいいかと思って」

「なるほど。そういう意味だったんだ

 日本で見る着物姿もいいけど
 海外だと尚更いいね」

「ありがとう」

「石田くん、ボーッと眺めてるのもいいけどちゃんとボディーガードしないと

 ほら、あっちのドイツチームの男性陣がずっと佐々木さんを見てるよ」

戸田さんが目で合図した

「ホントだ。佐々木さん、僕たちから離れないでね」

「ふふ、わかった。ありがとう」


肌を隠すためだけを考えて着物にしたが
ちょっとまずかったかもしれない

肌を大胆に露出したイブニングドレスを着た女性たちより目立ってしまっている気がする。
各国の男性から次々と声をかけられる。

その度に石田さんが

「佐々木さん、通訳お願い」

と、助け船を出してくれる。

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