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顧みすれば

第12章 砂漠の檻

「残念だがもうロイドのもとへも

 日本へも返せない。

 生憎この国では女の誘拐など日常だ
 どんな奴らのせいにでもできる。

 悪く思うな。
 ロイドに手柄を渡すわけにはいかんのだ
 次期王は、俺だ。


 これからは俺のもとで
 俺の女として過ごすのだ
 大人しくしていれば悪いようにはしない」



「連れていけ」


私の顎を掴んでいた手を離し
自分の配下の男に向かって指示をだした

「ご苦労だったな。
 約束どおりプラントはそちらに発注しよう

 ロイドは大事な日本企業の女性社員を誘拐されて大変だろうよ」


「そうですな。
 当然日本企業は撤退するでしょうから
 プラントは自然こちらのもの

 バドル王子の王位にも尽力させていただきますよ」

男はイヤらしい笑いを漏らしながら
バドル王子についていく。

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