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顧みすれば

第12章 砂漠の檻

私は目をつぶり気を失っているふりをした

扉の鍵が開けられ数人の男が入ってくる。


突然上体を起こされ
頬を打たれた


パシンッ パシンッ


「ほら、起きろ!」

「うっ」

うっすらと目を開ける。


ーーこの男!

レセプションで私に声をかけてきた男の一人だ。イヤらしさが全面に出ていて嫌悪感を抱いたのを覚えている。

「ほら立て!」

無理矢理腕を押し上げられ立たせられるが足も縛られているので上手く立てない。

「あんまり手荒な真似をするな

 おれの女だ」


バドル王子と呼ばれた男は私を掴んだ男を抑止して
私の顎を掴み顔を向けさせる。

「これがロイドのお気に入りか」

私の顔を見てニヤリと笑う。



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