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顧みすれば

第2章 会社員 佐々木亜美

私はいつも少し早めに出勤する

人気のまばらなフロアで買ってきた朝食をたべ
少しずつ仕事モードに切り替えていく
朝早めに出勤する顔ぶれはだいたい同じ
みんな朝の挨拶だけすると
お互いを構わない
それがこの時間の暗黙のルール

始業時間が近づくとフロアが賑やかになる
課長の姿も見えた
一瞬身を固くする


昨日のことバレてないよね

こっそり課長を盗み見するけれど
課長は私にはまったく気を止めない

小さく安堵のため息を漏らす

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