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顧みすれば

第13章 HERO

30分後 連絡があった

「相手はバドル王子です。

 少々厄介ですな」


「よりによって、バドルか」

バドルの母はハレムの女で臣下の娘だ。

王子といっても王位は遠い。

しかし野心家で猟奇的な面のあるバドルは常に王位を狙って隙を伺っている。
そのバドルを操っているのは外祖父の大臣だ。汚職にまみれた大臣はバドルがたとえ犯罪を犯しても揉み消してしまう。

王も手を焼く王子だった。


「見張りを続けてくれ。
 くれぐれも見失うな。
 私邸に連れ込まれては迂闊に手が出せなくなる」

「承知しました」


バドルが相手では早く救わなければ命に関わる。今までも何人もの女が犠牲になっている。


自分の甘さに悔やんでも悔やみきれなかった。

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