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顧みすれば

第16章 始末

王は宮殿で静かに報告を受けていた

バドルが殺されたことを聞かされ

「そうか」

と呟いただけであった。


バドルの邸から保護された女たちは
帰れるものは王の使いと共に自宅へ戻り

バドルに酷い怪我を負わされた女たちは王宮に保護されることになった。

バドルの邸から連れ出された女たちも全員を探しだし無事に保護された。


亡くなったものや王宮に保護された女たちの自宅には宰相が一軒一軒出向き
王が用意した
多額の見舞金を渡した。

ほとんどの家は憤りよりも多額の見舞金を手にしたことに喜んだ。

宰相は娘の命よりも金を喜ぶこの国の現実に深い悲しみを覚えたが、改めて民一人に至るまで豊かな国にしてゆこうと心に決めた。

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