テキストサイズ

顧みすれば

第17章 それぞれの愛

直哉はふふっと笑った。

「おかしな話だよ。

 俺が探していた女は彼女じゃなかった。

 今回のプロジェクトの話が来たとき

 俺は日本の企業で猛烈な接待を受けてたんだ」

直哉は思い出したようにおかしそうに笑った

「俺がロイドの友人なのは日本の企業でも有名でね。

 どこの会社も躍起になって接待してきた。

 毎夜高級料亭や高級クラブのオンパレード

 さすがの俺も毎日着飾った女たちのお世辞に付き合うのもうんざりしてたんだ。

 そんなとき宮部さんがゲイバーに連れていってくれたんだけど

 そこにいた女があみっていうんだ」


「アミ?!」


「ああ。彼女と同じ名前。

 その女は俺のことを知ってか知らずか

 かなり手強い女でね

 俺に向かって残念な男呼ばわりしたのさ」


「直哉に残念な男?!

 彼女わかってるじゃないか」

私はふざけたフリで直哉をからかった

ストーリーメニュー

TOPTOPへ