テキストサイズ

顧みすれば

第17章 それぞれの愛

「ならば、私は本気を出すぞ」


直哉はフーッとため息をついた


「そうだな。

 ロイドなら彼女を救えるかも知れない。

 彼女を救えるのなら

 本気で愛してほしい」



そして直哉は彼女から手を離し


静かに病室を後にした。


私は直哉の去った扉を見つめていた。



彼女の目から涙が零れたことにも気づかずに


ストーリーメニュー

TOPTOPへ