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顧みすれば

第18章 穏やかな時間

ロイド王子は私を強く抱き締めた。


い、痛い...


ロイド王子はそんな私に気付かずに


「アミ アミ 良かった

 やっと目覚めてくれた

 アミ 良かった」


さらにきつく抱き締める


痛い...です。


感動的なシーンかもしれない。


2週間も目覚めなかった私が

やっと目を開けた。

待ちわびた人はそれはもう奇跡のような感覚だろう。


でも、私は寝ていただけなので

あまり感動がない。

そのうえ全身が痛むのだ。


涙が出る。


「アミ。私も涙が出るほど嬉しい」


ロイド王子...ごめんなさい。


そんなに強く抱き締めないで下さい。

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