テキストサイズ

顧みすれば

第18章 穏やかな時間

看護師が水をもって病室に入ってきた。


感動的な再会に私を抱き締める王子


痛みに顔を歪める私。


看護師が私に気付いて王子を引き剥がしてくれた。

「ロイド王子、何をなさるのです!」

「え?」

ロイド王子はビックリして看護師を見た


「お気持ちはわかります。

 でも、彼女の顔を見てあげてください。


 痛みで顔が歪んでいますよ。


 また骨が折れてしまいますよ!」


ロイド王子は私をゆっくりと離して顔を覗き込んだ


「痛かったか?」


「はい...」


私は申し訳なくてうつむいた。


王子は

「そうだったな。
 あれほどの傷を受けたんだ。
 痛いに決まっている。

 君が目覚めたことに興奮してしまって...

 配慮が足りなかった。

 すまなかった」

と気恥ずかしそうに謝った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ