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顧みすれば

第18章 穏やかな時間

私は何だか王子が憎めなくて

口許を綻ばせた。

王子も恥ずかしそうに笑った。


看護師はそんな私たちを見て嬉しそうに出ていった。

「王子、触れていいのは指先と顔だけですよ」

と釘を指すのを忘れずに。



「そうか、顔ならいいのか」


王子は私の頬を包み込み

ゆっくりと唇を合わせてきた。


私はビックリして目を見開いてしまった。


そっと唇を離した王子は


「姫は王子のkissで目が覚めるんだろ」


と目眩を起こしそうなほど色気のある声で囁いた。

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