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顧みすれば

第18章 穏やかな時間

昼食が運ばれてきた。

まだほとんどが液体の食事

右手しか動かない私は食事に悪戦苦闘していた


その時ロイド王子が病室へ入ってきた。

 
手には真っ赤なバラを持っている。

「邸の庭から摘んできた

 少し気が紛れるといいと思って」


「砂漠にバラが咲くんですか?」


私は素朴な疑問を投げた


「母が花が好きな人だったからね。

 母の国ではとても花が多くて。

 母はこの地へやってきてから

 たくさんの花を育てていた。

 母が大切にしていた花は

 今でも邸のものが大切に育てているんだ」


王子は看護士に頼んで花を活けてもらった


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