テキストサイズ

顧みすれば

第19章 実力者たち

「しかし...」

ドクターは戸惑っていた


「とにかく輸血だけはお願いします」


女性はまた深く頭を下げた。


「わかりました。手は尽くします

 王、血液をできる限り集めてください」


ドクターはまた部屋から飛び出していった。


「誠一郎 A型の血液をかき集めてくれ!

 この国にはA型が少ない」


「わかった。すぐに手配しよう」



直哉の父上はすぐに携帯を取り出した。

「直哉か?紗英ちゃんが大変だ。

 今すぐ大量のA型の血液を持ってアラブへ来い!

 違う成田じゃ間に合わん!

 厚木だ。

 在日米軍に連絡いれておくから戦闘機で来い!

 間に合わなければ二度と紗英ちゃんを救うことはできないぞ。それどころか会うこともできん。

 いい加減腹くくって自分の罪を償え!!」


紗英?誰だ?

一体どうなってるんだ?

私は大人たちの会話がまったくわからず

混乱する一方だった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ