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顧みすれば

第20章 大人たちの青春

王は私に椅子に座るように促すと


「まずは私たちの関係が知りたいかな?」


私の顔を探るように聞いてきた。


そして、そこにいた二人に向かって
少しはにかむように微笑み


「昔のことだ。もう話してもかまわんだろ?」


女性は微笑みながら頷き


直哉の父は恥ずかしそうに俯いた。




王は少し遠い目をして昔を思い出すように話し始めた


「我々の若かりしころ


 今思えば幼く恥ずかしいことばかりだが


 とても輝いていた時代の話だ」


そういって王はひとつ呼吸を置いた。




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