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タクシーのドアが開き
私は助手席に移る。

「待たせたね。」

木下課長と鈴木部長がにこやかに乗り込んできた。

「鈴木部長突然お昼をお誘いしてすみません。」

「いや、構わないよ。佐々木さんの案内してくれる店はどこもうまいから断るのは勿体なくてね。」

「ありがとうございます。
　ところで課長、何か良いことありました？」

「それがね、佐々木くんおおありなのさ。
　詳しくはあとで話すけど、昨日の接待かなり効を奏したようなんだ。佐々木くんはしらないと思うけど昨日の接待はかなり変わった接待でね、正直僕もはじめはいかがなものかと思って心配してたんだ。」

「変わった接待？」

恐る恐る聞いてみる

「そうさ、半田電機の宮部さんが仕切りなんだけど、新橋の立呑屋から始まって、ホルモン焼き、最後はゲイバーだからね。」

「ゲ、ゲイバーですか。」

「そう、ゲイバー。俺も初めて行ったけど面白かったよ。しかもさ、山下常務がそこのこが気に入っちゃって途中でその子連れていなくなっちゃったんだよ。今まで銀座や赤坂のクラブではにこりともしなかった人がね。
まさか、そっちの趣味だったとは。
宮部さんのリサーチにも恐れ入ったよ。」

ほどなくタクシーは目的地に到着した

「課長、私お金を払ってから行きますので先にお店に入ってください。」

「わかった、よろしく。」