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顧みすれば
第2章 会社員 佐々木亜美
通された個室では、二人が上機嫌に談笑している。
「お待たせしました」
私は課長の隣に座る。
鈴木部長が少し居ずまいを正し話し出した。
「木下課長、今回はあんなもの送りつけてすまなかったね。うちとしても本意じゃなかったんだが、他の取引先から脅迫まがいのことされてね。本当に申し訳なかった。」
「脅迫、ですか」
「ん、あまり詳しくは言えないけど、国家プロジェクトだからね。落札するのにどこも躍起になってるさ。」
小さな国ならば国家予算に匹敵する一大事業だ。
どこも、使える手は使ってくる。
「しっかし、まさか山下常務から直々電話が来るとは思わなかったよ。どこで聞いたのか、三住さんに決めるからちゃんとした見積りを出してやってくれなんて言ってきたんだからね。」
「山下常務が?!」
木下課長が少し考える風な顔をして
あっと声をあげた
「おれと松田の会話聞かれてたんだ」
「若いのに抜け目ない人だな。」
ちょうど鰻が運ばれてきて
会話が途切れた
「お待たせしました」
私は課長の隣に座る。
鈴木部長が少し居ずまいを正し話し出した。
「木下課長、今回はあんなもの送りつけてすまなかったね。うちとしても本意じゃなかったんだが、他の取引先から脅迫まがいのことされてね。本当に申し訳なかった。」
「脅迫、ですか」
「ん、あまり詳しくは言えないけど、国家プロジェクトだからね。落札するのにどこも躍起になってるさ。」
小さな国ならば国家予算に匹敵する一大事業だ。
どこも、使える手は使ってくる。
「しっかし、まさか山下常務から直々電話が来るとは思わなかったよ。どこで聞いたのか、三住さんに決めるからちゃんとした見積りを出してやってくれなんて言ってきたんだからね。」
「山下常務が?!」
木下課長が少し考える風な顔をして
あっと声をあげた
「おれと松田の会話聞かれてたんだ」
「若いのに抜け目ない人だな。」
ちょうど鰻が運ばれてきて
会話が途切れた
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