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顧みすれば

第22章 夢

「紗英、思い出してごらん 

 素敵な思い出がたくさんあるはずだよ

 
 人生を辛いまま終わらせたらいけないよ

 まだまだたくさん幸せが待っている。


 生きてみなければわからない。


 それにね、私は紗英の宝物を預かっている

 もう少ししたら
 紗英のもとへ届けてあげるからね


 大丈夫。ちゃんと見ててあげるから


 守ってあげるから


 幸せを見つけてきてごらん


 ここへ来るのはそのあとでいいよ」


 祖母はそういうと私の手をゆっくり離し

 少し離れたところで微笑んだ。


 光に包まれた草原で


 大きく深呼吸した。

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