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顧みすれば

第22章 夢

「紗英ーーーーー!!!!!」


光の草原のなかで私を呼ぶ声がする。


おばあさまがニッコリ微笑む。


「ほら、いっておいで。


 今度はちゃんと幸せにしてもらうんだよ」



私はおばあさまに向かって微笑んだ。


「あ、そうそう


 あの子に伝えてね。


 天国に来たら

 大女将がこっぴどく叱ってやるって


 ちゃんと紗英を幸せにしないと

 許さないよって」


おばあ様はちょっとおどけて微笑んだ。


おばあ様もお父様も微笑みながら私の背中を押した。

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