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顧みすれば

第2章 会社員 佐々木亜美

今まで黙って話を聞いていた鈴木部長が私に向かってニッと笑顔を見せる

「しっかし、佐々木さんの案内してくれる店はほんとに旨いなぁ♪よくこんなうまい店ばかり知ってるね。」

「ほんとだよ、この海老天も最高だよ♪」

課長が海老にかぶりついて口角を上げる

「恐縮です」

わたしは、静かに頭を下げる

「佐々木、お前の給料全部外食か?!それにしてもうちの給料じゃこんな店来られないよなぁ。」

課長が部屋を見渡しながら呟く

「課長、無粋なことは聞かないでください」

「佐々木、その返事はOL の返しじゃないよ」

3人揃って勢いよく笑いだした。
和やかに食事が進む。

空の重を下げてもらい、水菓子に手をつけていたときだった

課長の携帯が鳴った
課長がちょっと失礼と携帯を取り出した

「はい、木下です。‥‥お、松田か。どうした。
 ‥‥うん、あ、宮部さんから?‥‥うん、‥え?
 ‥山下常務が?‥ああ、‥ああ、‥わかった
 昼食べたらすぐに戻る。じゃ、準備頼むな。
 よろしく。」

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