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顧みすれば

第2章 会社員 佐々木亜美

課長が携帯をきった。注目している私たちを見る。

「佐々木、すごい展開になってきたぞ。

 山下常務が詳しい話を聞きたいから、宮部さんと来週早々来社してくださるらしい。
 急いで戻って資料をツメ直しだ。
 鈴木部長、早急にまともな見積書貰えませんか。」

「わかりました。いつまでに?」

「明後日までに頂けると助かります」

「大丈夫です。もう、作り直させてますから、戻ったら確認してメールしますよ。」

「助かります。
 鈴木部長、忙しくなりそうです。
 よろしくお願いいたします。」

「こちらこそ。
 最善を尽くさせていただきますよ!」

男たちはガッチリと握手をした。

「それにしても話が急すぎる。

 昨日のあみちゃんは宮部さんの差し金かなぁ」

と、課長が独り言のように呟いた。

「あみちゃん?」

鈴木部長が聞き返す

わたしは、地雷を踏まないように、店にタクシーを呼んでもらうよう頼みに席を外した。

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