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顧みすれば

第24章 新たな道

直哉さんが高校に入学した頃から

様子がおかしくなっていったこと。


私を犯した時はクスリでまともな状況ではなかったこと。


おじさまがお母様に土下座して許しを乞うたこと。


私が直哉さんの存在を記憶から消したこと。



そして、直哉さんがアミを知っていること。




私は苦しくて息が止まりそうだった。


涙があとから後から零れ とまらない。



「紗英ちゃん、


 直哉を許してほしいなんて言わない」


おじさまは苦しげに言葉を絞り出す。


「でも もう 


 紗英ちゃんは苦しまないでほしい


 紗英ちゃんがもがき苦しんで

 生きる術を見出だせなかったとき


 私も妻も総一郎も 女将も


 みんなが苦しんでいた。



 そして 誰よりも直哉が」



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