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顧みすれば

第25章 愛のかたち

「紗英ちゃん、ロイド王子の母上だ」


私は寝ている体を起こそうとした


「いいのよ。そのままで。

 ロイドが色々とご迷惑をかけたみたいね」

 
美しいマリアンヌさんは吸い込まれそうな

青い瞳で 私を見つめた。


「いえ、ロイド王子には助けて頂きました」


「そう。あの子が必死になるなんて

 相当 あなたに惹かれたのね」


マリアンヌさんは勧められた椅子に腰を下ろした。


「セイイチロウ、素敵なお嬢さんね」


「私の娘だからな」


マリアンヌさんは意味深な目配せをした。


「あら、セイイチロウに娘はいないでしょ」


「そうだったか?」

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