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顧みすれば

第25章 愛のかたち

マリアンヌさんは私に向き直った。


「サハド王からもロイドからも


 あなたのことくれぐれも宜しくと


 言われてきたわ」


「ロイド王子が?」


マリアンヌさんは美しく微笑んだ。


「ロイドはあなたの気持ちが落ち着くまで


 ゆっくり待つそうよ。


 そして、ナオヤには言わないからって」


私は驚いて眼を丸くした。


ロイド王子は知っているんだ。


知っていて敢えて距離を置いてくれた。


ロイド王子の優しさが心に染みた。

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