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顧みすれば

第25章 愛のかたち

ずっと不思議に思っていることがあった。


確かマリアンヌさんは心を病んでしまっていたと聞いていたけれど...


目の前の女性にそんなものは感じられなかった。


「マリアンヌさん、

 立ち入ったことを伺ってもいいですか?」


「何かしら?」


美しく微笑む女性は車イスをとめ

そばのベンチに腰掛け

私と視線を合わせた。


「実はロイド王子から

 子供の頃の話を伺ったとき

 お母様は心を病んでしまわれた

 と聞いたのですが...」


「あら、そのこと」


マリアンヌさんは少女のように微笑んだ。

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