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顧みすれば

第25章 愛のかたち

ゆっくり私から体を離し


「退院おめでとう」


と、持っていた花束を渡してくれた。


「明日、帰国するときいて

 いてもたってもいられず

 ここまで来てしまった」


ロイド王子は少し恥ずかしそうに微笑んだ。


「君と叶えたい夢があってね」


「夢?!」


「実はデートというものをしたことがない。


 付き合ってくれるか?」


私の目線に合わせて微笑む。


近付いたロイド王子の顔に目眩がした。



ーーそんな綺麗な顔で微笑まないでください


私は微笑み返し


「もちろん」


と答えフロントに花を預けた。


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