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顧みすれば

第30章 決意

初出社の日を思い出す。

ドキドキして入り口までがとても遠く感じた。


いまは感慨深く歩いていく。



ロビーに足を踏み入れると


懐かしい匂いと空気に包まれる。


受付の女性がこちらを伺っている。



私はまっすぐ重役用エレベーターへ向かった。




重役フロアの受付で社長に面会を求める。

ほどなく社長秘書の藤堂さんが現れた。


「亜美ちゃん!

 いろいろ大変だったね。


 もう体調は大丈夫?」


どこまで聞いているかはわからないが

とても心配そうな顔で聞いてきた。


「お陰さまで」


私はにっこりと笑った。


藤堂さんは社長室へ案内してくれた。

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