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顧みすれば

第30章 決意

私は木下課長の前に進み出た。


「お話があるのですが

 お時間いただけますか」


課長は頷いて会議室へと私を案内した。


まだ、フロアはざわついていたけれど

私は構わず歩き出した。


「今回はすまなかった」


会議室の扉を閉めて課長が口を開いた。


「いえ。

 私こそご心配をお掛けしてすみません」


会議室のテーブルで向かい合った。


「で、これからどうする?」


「はい。

 退職させて頂きたいと思っております」


課長は腕を組んだ


「そうか...

 しかし、少し休んで復職するというのは考えられないか?」


「すみません。

 いろいろと思うところがありまして」


私は頭を下げた。

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