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顧みすれば

第32章 もう一度 

「さっき、紗英を抱き留めたとき


 昔、木から落ちた紗英を

 抱き留めたことを思い出したよ


 ぎゅーっと俺にしがみついた紗英に



 ドキドキしたんだ」



「え?!」



「思わずキスしたくなって


 でも子供の紗英の唇に

 キスなんてできないから

 おでこで我慢した」



「わたしも」


「ん?」


「わたしも思い出したの。


 あの時 直哉さんを好きになったって」



「えっ?!」



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